クライアントさんとの境界線って何だ?って感じですか?
前回のブログでも少し触れていますが、クライアントさんの問題を自分の問題や責任にしないという、セラピスト自身の心理的な境界線がまずあります。ようは、程よい距離感を置くという事ですね。 セラピストとしてクライアントさんと関わっていると、体の事だけではなく個人的な事も「何とかしてあげたい」と色々思う事もあるとは思います。 クライアントさんは裸になっているし、顔も下を向いていて顔を直接見る時間も少ないなど、色々話しやすい環境にもなっているので、個人的な話を色々してくる事もあると思います。セラピスト自身も自分たちの話をしたり、感情移入がしやすくなりますね。
私のクライアントさんで、スポーツサイコロジスト(心理学者)がいます。大学の先生もしていますが、個人のクリニックも持っているので、彼女自体も現場で一対一でクライアントさんと向き合って働いています。そんな彼女から言うと「マッサージセラピストの仕事も私たちの仕事に似ているよね」と言います。
彼女は、仕事柄、はっきり境界線を引いているそうです。セッション時間の心の境界線だけでなく、プライベートでも会わない境界線をひいているそうです。理由は、クライアントさんが依存しやすくなる事と、プロとしての客観的な視点ではなく個人的な意見も介入するから、仕事にならないという事です。
最初にあげた心理的な境界線以外にも、サイコロジストの人が言うように、ソーシャルな面での境界線というのもありますね。
お店で働いている場合は、ソーシャル面での境界線がなくても、仕事に影響する事は少ないかとは思います。独立した後は、もしかしたら少し考えてみても良いかもしれません。独立したあとは、クライアントとのプライベートでの関係が、良くも悪くもビジネスに影響がでる可能性もあります。影響というのは、数字かもしれないし、セラピスト自身のマインドが変わる事によるストレスかもしれません。 私たちはサイコロジストではなく心理的なものを扱う専門家ではないし、カウンセリングをする訳ではないですが、基本的にマッサージ中は聞き役になる事が多いですよね。体だけではなく、クライアントさんの腹に溜めてるものも出すと、体も反応していく事もあります(一例は以前のブログを参照してください)。 これって客観的に見れる関係だから出来る事なんでは?と私は思います。プライベートで会っていたりすると、中途半端に「友達・知人として」のセラピスト側の個人的意見・感情などがはいり、それが色んな形で邪魔をしてしまいそうです。逆に友達をマッサージする時は、クライアントさんから友達になった訳でもなく、毎日の事ではないので、頭を切り替えるのは難しくはありません。 あくまで私の意見であって、仕事と趣味に相互関係があったり、仕事のスタイルや環境、性格が違うと当てはまらないというセラピストさんも沢山いるでしょう。
次に、境界線を引いていると余計な人間関係を考えなくて済んだりするかもしれません。
私の住んでいる所は比較的狭い人間関係な社会だと思います。それも手伝ってか、クライアントさん同士が何らかしらの形で繋がっている事が多々あり、小さいマッサージルームで色んな人間模様が見れます。 極端な例を言うと、私のクライアントさんの中には、奥さん、旦那さん、そして不倫相手がいました(汗) もちろん本人達が言う訳ではないですが(苦笑)、他のクライアントさんが私に伝えてきて、みんな知っていると言います。そして、そういうゴシップネタは私の中で終了させ、みんなが知っていても、私からその事を口にする事はもちろんありません。 もしプライベートでも付き合いを作っていたら、ゴシップに巻き込まれるし、当の本人達と仕事とはいえ一対一で会っている私は、中途半端に三角関係の間に挟まれる事も予想されます。 そして、予約がはいる度に、気が重くなるります。下手したら、中途半端にかかわった事で、もうマッサージに来なくなるかもしれません。 プライベートなソーシャルとビジネスが離れていると、友人としてではなく、「私のマッサージを支持して来る」ので、私自体も余計な事を考えずにマッサージに集中することができます。
これらの理由から、私自身が独立してからは、この境界線を特に意識しています。そして、私にとってはちょうど良い、快適な状態なんですね。
さて、他のセラピストさん達の境界線に関する考えも聞いていますので、次回のブログで紹介しますね。全く真逆だったり、状況が違うので考えが違ったり、色々あっておもしろいですね。
今月は海外で奮闘中のセラピストのインタビューを2件アップデートしています。
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プロフィール2022年6月までのブログは、オーストラリア在住現役セラピスト、「海外セラピストドットコム」発起人Megのブログ。 カテゴリー
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