心が震える!職人魂に火がつく!何かをしなければいけない!という衝動にかられた出来事
それは8月25日と8月26日に開かれたある講演会に参加したことがきっかけでした。
その講演会のスピーカーはMat Bowtell(マット・ボーテル)さんという方で、前職はオーストラリアのトヨタ自動車のエンジニアとして勤務されていましが、数年前トヨタ自動車の工場がオーストラリアから撤退することになり、Matさんはリストラにより無職になってしまいました。
Matさんは職を失ったことはものすごくショックだったと言っていましたが、この機会を利用して改めて自分を見つめ直すことにして 自分は一体なんなのか 何が好きで、何が嫌いなのか 人生の価値とは何か 自分にとってのライフスタイルとはなんなのか など自問自答を繰り返し、その中で幼い頃からものづくりが好きで、周りを驚かせる変わり者(ブラックシープ=黒羊)と言われていたことを思い出したそうです。 そして一番印象に残っている記憶を呼び覚まします。 それは子供の時のMatさんの弟さんが、威力があまり強くなかった電動水鉄砲で遊んでいた時のこと。そこでMatさんがモーターとかバッテリーを改造して鉄砲を強力にしたところ、その強さに弟さんがびっくりして、今でもその弟さんが喜んだ笑顔が忘れられないと話してくれました。
私も、幼い頃から両親は共働きでいつも母親の職場に連れてこられていました。そこには遊ぶ友達もいなくて、遊ぶおもちゃといえばプラモデル・レゴやミニ四駆といったものでした。でも友達がいなくても物を作ることが何となく楽しくて幸せでした。
ある時ミニ四駆のバッテリーに豆電球をくっつけて光らせて走らせたところ、それを見た母親がびっくりして「そんな改造もできるの!すごい!」と言ってくれたのを今でも覚えています。Matさんの話を聞いて、私もその時の記憶を鮮明に思い出しました。 自分を見つめ直したMatさんは「人に喜んでもらえることをしたい」と考え、いつもだったらビール缶を開けてソファーに寝っ転がり、テレビをぼーっと見ている時間を、やりたいことをリサーチするための時間にあてたそうです。 そしてリサーチの結果見つかったのが、今までエンジニアとして培った知識と経験を活かした3Dプリンタの技術を使って、手に障害がある子供たちに無償で義手を作りたいというものでした。 Matさんのポリシーは「無償で提供する」ところ 動かなくて見た目だけの既存の義手は最低でも30万円、また日常生活で使えるようなコンピュータが組み込まれた義手になると150万円します。 もし手のない方を社会が障害と認めるのであれば、その全ての方達に義手が支給されて国が保証するべきです。でも現実は、お金のある人が高性能な義手を手に入れ、そうでない方は低予算の義手でまかなうか、それすらも手に入れることができない人もいる状況です。 Matさんはそんな世界に憤り感じて「全ての義手を必要とする人に無償で提供する」というポリシーを貫いています。 Matさんが周りの人からブラックシープ(変わり者)と言われていたように、私も相当な変わり者だと自負しています。そうでないと義肢装具士なんてマニアックな仕事はしていません。 Matさんのセミナーには同じ物作りの職人として共感することが多く、Matさんの世の中を変えたいという情熱がビシビシと伝わってきました! セミナーを聞いているうちに「なぜ自分はMatさんのように生きられないんだろう」と嫉妬さえ覚えました。 そんな魂が揺さぶられるセミナーに感動しましたが、この感動をそのまま終わらせてしまうと「感動ポルノ」(メルボルンのコメディアン、ステラ・ヤングさんが提唱した言葉)で終わってしまいます。 このMatさんから得た想いをしっかりと行動にうつして どれだけ前へ進めるかが勝負だと思っています! Matさんが3Dプリンターの義手を作るのであれば、自分は自分にしかできないことで勝負をしたいし、Matさんがブラックシープと呼ばれるのであれば、自分はオレンジシープを目指したい。 まだ何をするかはいろいろ模索中ですが、「体が熱くなる」「魂に火がつく」というのはこういう感じなんだろうなと教えてくれたMatさんに心から感謝をしています。
そんなMatさんを同じ義手製作者としてサポートしていきたいです! 今の活動を続けていくにはやはり資金が必要です。募金というかたちでサポートしていけますので、Matさんの行動に感動・賛同・共感していただけた方は是非こちらからサポートをお願いします。 私たちの小さなアクションが、Matさんへの支援となり、手がない子供の生活に光を灯します!
4 コメント
31/8/2018 11:36:45 am
私もブリスベン講演に参加させて頂きました。
返信
Hiroshi Otani
31/8/2018 11:01:46 pm
コメントありがとうございます。そしてセミナーにも参加されていたんですね。お疲れ様でした。
返信
Yuka Judd
11/10/2018 11:29:47 am
Junkoさんのコメントに100%同感しました。それで、 私もまず、募金とFBでシェアーさせてもらいました。
返信
Hiroshi Otani
11/10/2018 07:55:19 pm
Yukaさん、コメントありがとうございます。ゴールドコーストのチャリティーイベントで自分のコメントが使われるのは全然OKですよ。名前も使ってもらって大丈夫です。 あなたのコメントは承認後に投稿されます。
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プロフィール2022年6月までのブログは、オーストラリア在住現役セラピスト、「海外セラピストドットコム」発起人Megのブログ。 カテゴリー
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